「量的調査研究の意義や疑問」印象記(3)

それから、その後大学院において認知症グループホームにおける虐待予防対策に関する調査研究を進め、昨年度執筆した修士論文の概要について、お話していただきました。

松本さんは、大学院において、認知症グループホームの介護職員が求める虐待予防対策とは何かというテーマのもとで、量的調査の手法を用いた調査研究を進め、昨年度修士論文「認知症グループホームにおける介護職員が求める虐待予防策の検討―虐待予防策の因子構造と属性との関連をもとに」をご執筆されました。

そうした「虐待予防策」というテーマを選んだのは、近年認知症高齢者が増加し、ケアの需要が高まる中で、グループホームが急増し、その閉鎖性の高さから虐待リスクが指摘され、また、メディアなどでも虐待の実態が報じられているにもかかわらず、グループホームの虐待に関する研究は少なく、ましてや虐待を防ぐための研究が少ないことによるものであったと言います。

そこで、松本さんは、修士論文おいて、新聞記事や文献のレビュー、プレ調査(自由記述・インタビュー)をもとに、本調査として、グループホームで働く介護職員1000名に対して、虐待予防に関する55項目からなるアンケート調査を行い、そこで得られたデータの因子分析を通して、グループホームにおける介護職員が求める虐待予防策について検討されました。

その中では、「職員への負担感軽減」「職員の知識・能力の向上」「職員への支援体制」「職場の専門性の向上」という、虐待予防策に関する4つの因子構造と、そこで虐待予防のために職場全体で取り組むべき対策や職員に配慮するような取り組みの必要性、また、そうした予防策に対する職員の属性による認識の違いについて考察されました。

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