「量的調査研究の意義や疑問」印象記(4)

そして最後に、そうした修士論文の調査研究を進める中で感じた「正直な思い」について、お話していただきました。

まず、松本さんは、量的な調査研究を始めるにあたって、質的な調査研究に対して「偏見」を抱いていたと言います。それは、対象が少ないため、そのサンプリングによる一般化や分析過程の可視化に限界があるのではないかというものでありました。しかし、量的な調査研究を進める中で、そうしたことは量的な調査研究でも同じように言えるのではないかと感じるようになったと言います。

それから、そうした量的な調査研究を進める中での苦労・不安について話されました。そこでは、量的調査研究を進める中で、何が間違っているのか分からないことの不安や、分析の中に恣意が入ってしまうことの不安があり、そうした不安の中で有意差に執着してしまうことや、さらには有意差が出るように研究を進めてしまうことへの違和感があったと言います。

最後に、松本さんは、そうした修士論文を振り返り、量的調査研究を行って達成感や満足感がある一方で、この研究結果をどこまで一般化できるのかという普遍性への疑問・不安があることについて話されました。また、そうした量的調査研究の結果を現場の人に見せるとき、有意差などといっても分からないのではないかということを提起され、今後の課題として、現場との対話を重視し、現場に役立つ研究、研究の現場への還元を目指したいと考えているということについて話されました。

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