東京都,とは言っても,すぐ隣は埼玉県,わが国でも有数のニンジン生産地清瀬市の,雑木林の一隅に,長らく西武沿線に住んでいても,気づかない人は気づかない,控えめな大学がある.
近頃の天候不順で,秋風と残暑の蒸し暑さが入り交じった,秋の週末,その大学に,柔和な表情の陰になにやらしぶとさをうかがわせる,10人ほどの男女が集まってきた.
Dパック,歩きやすさにこだわった靴,ヒゲ.どうも単なる知的労働者ではなさそうである.それもそのはず,彼らは,社会調査の専門家たちなのである.しかも,かなりの場数を践んだプロである.
今日は,そのプロたちが,「社会調査の塾」をめざす,できたてほやほやのNPO「サーベイ」の設立研究会のために,足を運んでくれたのである.
(つづく)