私は調査初心者および現場&研究両事者という立場から、「現場に役に立つ研究を考える」というテーマで、私の悩んだ体験を中心に話題提供をさせていただきました。話題提供の内容は以下の二点です。
(1) 修士論文のテーマ設定の経緯
「現場に役に立つ」テーマ設定を目指し苦労しました。複雑多岐にわたる「現場」で起こっていることに対する自分の「思い」がある一方で、研究の作法(ex.テーマの焦点化、概念化、先行研究のレビューなど)にのっとったテーマ設定が求められる。その上「現場に役に立つ」ことを目指したので苦労をしました。
(2) アンケート調査に対する現場側の不信感が感じられるエピソード
今回の勉強会でみなさまから様々なアドバイスをいただき、自分の研究計画の甘さに気づかせいただいたり、また勇気をいただいたりしました。
最も大きな収穫としては、改めて「表現すること」の重要さを認識できたことです。研究計画の段階では、なぜこのテーマが重要なのか、なぜこの調査方法でやるのか、といったことをきちんと説明できるようにすること、そして調査を終えた後はご協力いただいた方に研究成果をきちんとフィードバックする(論文をただ渡すだけではなく、現場の方になじみやすいように工夫もする)ということ。
自分では「役に立つ」と思っていても現場にとっては必ずしもそうではないこともあるし、その逆もある。「役に立つ」ことを意識しつつ現場とのコミュニケーションを密にしていき対話の中でより良い形を見つけていく姿勢を大切にしたいと感じました。
勉強会で貴重なご意見をいただきましたみなさま、そしてこのような機会をいただきましたNPOサーベイのみなさまに改めてお礼を申し上げたいと思います。