(前回の続き)
・「方法」としてのビデオカメラ
それから最後に、そうした調査の経験を踏まえて、「方法」としてのビデオカメラについてお話していただきました。
まず、ビデオカメラを用いて調査を行うことの困難について提示されました。
ビデオカメラを用いた調査を一人で行う場合、重い機材を担いでフィールドを移動し、撮影を行いながらインタビューも行うということの難しさがあります。
またその中で、カメラを回すタイミングの問題や、いざカメラを回し始めると「カメラを意識してしまって話しづらい」といわれてしなうなどの問題を伴います。
それから、ビデオカメラを用いた調査を行うことの有意性について提示されました。
ビデオカメラを用いた調査では、インタビューの記録として、話す表情やしぐさなどを記録できることで、語り手が語った内容を解釈・理解するために参照する情報量が増えることが考えられます。
また、インタビュー記録だけではなく、活動に対する参与観察記録として、ある空間内で連続的に生起している複数の出来事、音と身体行為、口語行為を記録できることが考えられます。
以上、岩舘さんより、これまで行われてきた調査の経験に基づきながら、ビデオカメラを用いた調査を行うことについて、話題提供をしていただきました。