来る3月18日に研究会を開催いたします。
テーマ :
社会調査データのアーカイブ化―「原爆と人間アーカイブ」の試み
話題提供 : 濱谷正晴(一橋大学名誉教授)
日時 : 2012年3月18日(日)14:00~18:00
場所 : 早稲田大学早稲田キャンパス26号館602教室
(http://www.waseda.jp/jp/campus/waseda.html)
趣旨 :
近年、社会調査のデータをいかにアーカイブ化するのかをめぐって議論が高まっています。
それは、社会調査を基にした研究論文を発表するだけではなく、社会調査によって得られたデータそのものを、整理・保存・公開することの重要性が認識されてきたことを意味しているように思います。
そしてそれは同時に、これまで行われてきた多くの社会調査のデータが、研究者によって私蔵・散逸されてきたことに対する反省を意味しているように思います。
これまで、実に多くの社会調査が行われてきましたが、そこで得られたデータは、どのくらい活用されてきたのでしょうか。また、現在も活用できるデータは、どのくらいあるのでしょうか。かなり多くの社会調査のデータが、ほとんど活用されないまま、今後も活用できないものとなっているのではないでしょうか。
しかし、そうした社会調査のデータの中には、現在の社会において、もしくは未来の社会において、大変価値あるものが多く含まれていると考えられます。そして、そのような価値ある社会調査のデータを、未来に生きる人びとが活用可能なものとして整理・保存・公開することが、今後、求められていくように思います。
そこで、今回の研究会では、現在、原爆被爆者調査のアーカイブ構築に取り組んでおられます濱谷正晴先生に話題提供をお願いしました。
濱谷先生は、一橋大学での45年間にも及ぶ原爆被爆者調査のデータを、多くの未来に生きる人びとがアクセス可能なデータベースとして広く公開し活用できるようにする「原爆と人間アーカイブ」の構築に取り組んでおられます。
話題提供では、そうした原爆被爆者調査の膨大な蓄積をアーカイブとして残すことの実際についてお話しいただきます。また当日は、「原爆と人間アーカイブ」に関わられている方々にもコメンテーターとして参加していただく予定です。
そして、今回の研究会では、そうした話題提供をもとに、社会調査データのアーカイブ化をめぐる諸問題について考える機会としたいと考えております。