「ビデオカメラは調査の眼」コメント(1)

2012年2月15日 by 事務局

2011年12月18日に開催されました研究会「ビデオカメラは調査の眼―その実践経験から」にご参加くださいました方々からさまざまなコメントをいただきました。そのいくつかを紹介いたします。

・川越靖子さんより

3回に分けて撮影した映像から、初回に撮影した時と2回目、3回目と撮影した時とでCユニオンの3名のおかれている状況や精神状態の移り変わりが感じとることが出来ました。

撮影を進めていく中で、インタビューよりも、行動力や活動を撮影するようにしていったことが、彼らの活動力を感じさせることになっていたと思います。

都庁に提出する為の書類を黙々と作成している様子など、彼らの団結力を感じとることが出来ました。背景にうつっている書類などによってどのように活動を行っているのかという情報量が増していると思いました。

・間庭 智仁さんより

私は量的調査が一応専門ということになるのですが、授業では質的なものもかじっています。今回非常に刺激をいただきました。数字で扱えないもの、映像でしか扱えないものにいかに接近していくか、修論では扱えないと思いますが、考えていきたいと思います。

・石原晋吾さんより

映像の対象者が不明(誰に向けたものか)であったが、逆にそれが受け手の解釈を大きく広げていく可能性があることを感じた。ぜひ継続して「ひとつの作品」として作り上げていただきたいと思う。

研究成果としての映像の役割については、テキストデータとの関連も含めもう少し議論が必要なことかもしれない。

「ビデオカメラは調査の眼」記録(3)

2012年2月12日 by 事務局

2011年12月18日に開催されました研究会「ビデオカメラは調査の眼―その実践経験から」の中で交わされました議論について、そのいくつかをご紹介いたします。

[調査者の立場性]
・対象に寄り添うという研究者の立場性は?むしろ、映像で対象に介入することもある。

・映像作品をつくるとき、映像を見せる対象によってその編集のあり方が変わる。

・映像作品の制作における恣意性の問題や「ヤラセ」の問題がある。テレビ局のインタビューなどは事前に内容が決まっていることがある。

[映像で調査する新しいあり方]
・社会学者としての映像技術を考える必要性がある。

・撮影した映像を対象者に見せることによって、また新しい語りが引き出せるのではないか。

・人によって受け止め方は違うが、現場に連れて行ってもらえるという側面はある。調査者の追体験をすることができる。

「ビデオカメラは調査の眼」記録(2)

2012年2月8日 by 事務局

2011年12月18日に開催されました研究会「ビデオカメラは調査の眼―その実践経験から」の中で交わされました議論について、そのいくつかをご紹介いたします。

[映像は、記録か?表現か?]
・映像の調査は、記録(フィールドノート)として意味がある。

・映像で調査したものを一度テキストに変換するしかないのか。

・映像で調査したものを研究の土壌に乗せるのが難しい。

・映像の調査は、記録としてだけでなく、表現としても意味がある。

・表現としての映像には学者と市民との隔たりを狭める力がある。

・記録と表現は切り離されるべきではなく、地続きである。

「ビデオカメラは調査の眼」記録(1)

2012年2月4日 by 事務局

2011年12月18日に開催されました研究会「ビデオカメラは調査の眼―その実践経験から」の中で交わされました議論について、そのいくつかをご紹介いたします。

[映像で調査を始める]
・ビデオカメラを用いた調査は、今や誰にでもできる。自分にも出来ると思える。

・ビデオカメラを用いて調査を行おうとすると、ビデオを回しながら、インタビューを行い、メモを取るなど、やることが多くなるため、一人で行うのは難しい。

・調査の回数を重ねるごとに調査のあり方も変化する。背景などに意図せずして映像にうつりこんでくるものがある。

[運動を映像で調査する]
・Cユニオンの人たちは、昔の労組のステレオタイプとは違い「いい人達」という印象があった。

・Cユニオンの活動にイデオロギー性を感じなかった。自分の生活が出発点になっているのではないか。

・映像の中で書類を黙々と用意しているところがあったが、これぞビジュアルリサーチだと感じた。

「ビデオカメラは調査の眼」印象記(3)

2012年1月31日 by 事務局

(前回の続き)

・「方法」としてのビデオカメラ
それから最後に、そうした調査の経験を踏まえて、「方法」としてのビデオカメラについてお話していただきました。

まず、ビデオカメラを用いて調査を行うことの困難について提示されました。

ビデオカメラを用いた調査を一人で行う場合、重い機材を担いでフィールドを移動し、撮影を行いながらインタビューも行うということの難しさがあります。

またその中で、カメラを回すタイミングの問題や、いざカメラを回し始めると「カメラを意識してしまって話しづらい」といわれてしなうなどの問題を伴います。
 
それから、ビデオカメラを用いた調査を行うことの有意性について提示されました。

ビデオカメラを用いた調査では、インタビューの記録として、話す表情やしぐさなどを記録できることで、語り手が語った内容を解釈・理解するために参照する情報量が増えることが考えられます。

また、インタビュー記録だけではなく、活動に対する参与観察記録として、ある空間内で連続的に生起している複数の出来事、音と身体行為、口語行為を記録できることが考えられます。

以上、岩舘さんより、これまで行われてきた調査の経験に基づきながら、ビデオカメラを用いた調査を行うことについて、話題提供をしていただきました。